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【文学】奢侈的盆栽 [盆栽のはなし]

「人は加齢で自然と恬淡となる。若き君にこの盆栽を授けよう」

そんな成行きで齢90になる老夫から譲り受けた品が、昨年から庭に佇む一位の盆栽。

盆栽は同じ樹種でも作り手により種々相だが、この一位の盆栽は、活きた幹と枯れた幹、すなわち生と死なる対蹠するものが相剋する事なく仲睦まじく媾合し、艶かしい纏綿として連れ添っているのである。

本来対蹠する者同士が眷恋し、相擁し、数十年以上も果てずに続く生と死の媾合を、僕は、時を忘れ見惚れてしまうのである。

さて、それを盆栽の世界では舎利芸と呼ぶのだが、一見不軌に見える一脈の活き道のうねりには論理的な意図があり、艶かしい纏綿として係累されている。この場合の論理的とは、和と美のバランス配分から導き出される数値である。

「数代を渡り現在の景に辿り着いたのだから、それぞれの代で諦念を持って、培養するように」との箴言。

玲瓏な鉢の価値を聞くことはしなかったが、僕には奢侈な品だと自覚させてくれる。

僕が培養している一位の盆栽の概括はこのようなものである。


                      韮澤やすおみ

※三島先生の作品 禁色にインスパイアされて創作してみました。法学部卒かつ官能的作品が得意な三島先生風の用語を散りばめて作りました。


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